淡路島国営明石海峡公園は、かつて灘山という自然に恵まれた山でした。
公園のうつりかわり
現在の淡路島国営明石海峡公園のある場所は、もともと「灘山」というウバメガシやヤマモモが群生する標高約160mの海に迫った山でした。
1963年から灘山は切り崩され、大阪港ベイエリアの埋め立て用の土砂として運び出されました。大型の重機を使い、どんどん土砂採取を行った結果、約1億㎥もの土砂が採取搬出され、
灘山は大きく姿を変えるとともに、139haもの自然を失いました。その広大な土砂採取跡地の利用にあたっては、国営公園や施設群の整備とともに、岩盤がむき出しとなった12haの斜面地の緑化が大きな課題となりました。
灘山の緑化は、ウバメガシやヤマモモといった従来からある緑や生態系の回復、すなわち「郷土の森」の創造を大きなテーマとしました。
しかし、長大な斜面地の傾斜を緩やかにするなどの再造成は、多額の経費を要するとともに、土地利用上望めないことから、岩盤斜面地のまま植栽することになりました。
土砂採取跡地には淡路夢舞台が整備され、後背地の斜面には、1㎡あたり3~4本の密度で、高さ30cmのポット苗が約25万本植栽されました。
年表